秋季キャンプで見せた、巨人新体制の「高橋由伸らしさ」 (2ページ目)

  • 高松正人●文 text by Takamatsu Masato
  • photo by Kyodo News

 内田コーチは広島時代に前田智徳や金本知憲、巨人時代は高橋監督をはじめ、松井秀喜や阿部慎之助らを育てた名伯楽。特に若手の育成に定評があり、これまでは二軍打撃コーチを務めることが多かったが、打撃陣の底上げをするには若手野手を育てながら勝たなくてはならないという背景から、一軍打撃コーチを打診され引き受けた。

 内田コーチは言う。

「これからの選手は(練習の)量もそうだけど、質を求めていかないといけない。それに私は(高橋)監督が巨人に入ってきた時から知っている。彼を支えてあげたいし、それが私の集大成だと思っているよ」

 打撃練習では打者をマシンに正対させ、バッティングをさせていた。これは内田コーチが二軍で教えている時にもやっていた練習方法で、スイング時にバットのヘッドを立て、インサイドアウトの意識を高めることが狙いだ。

 伸び悩む7年目の大田泰示にはフォーム改造を厳命。あえて力感のないフォームに変更させた。その理由を内田コーチはこう明かす。

「始動に余裕があれば、(外に)抜かれても対応できるんだよ」

 このキャンプで大田は、バットを軽く体の前に構えてから始動するスイングを心掛けている。シートバッティングでもあと数センチで本塁打になる左中間フェンス直撃の二塁打を放つなど、成果は出てきている。

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