実は「人間観察」の名人。ラミレス新監督はDeNAを変えるか? (3ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by ©YOKOHAMA DeNA BAYSTARS

 ラミレス監督も引退したときのチームメイトが数多く残っており、外部から来たまったくの新人監督よりもチーム状況を掴むのにさほど時間はかからない上に、現役でプレーした経験から球団がどの方向を見ているのかも熟知していることだろう。

 10月24日、就任後ベイスターズ球場に初めて訪れたラミレス監督は進藤ヘッドと40分ほど言葉をかわしている。その後、ラミレス監督は『センターラインの強化』と『機動力野球』というテーマを掲げた。機動力野球に関しては打力が持ち味だったラミレス監督を思えば意外と受け取られたようだが、機動力野球そしてセンターラインの強化は中畑前監督時代からの重要課題でありブレはない。

 筒香嘉智やロペス、梶谷の存在で打撃が注目されるDeNAだが、中畑前監督は常々「1年を通じて勝ち星を増やしていくには、やはり守りが大事」と語っていた。在任中はうまくいかなかったが、投手を含めた守備力の強化はDeNAの永遠の課題である。

 チーム方針は変わらない。作戦のベースはおそらく進藤ヘッドが立てることになり、最終的な決定権はラミレス監督に委ねられる。ある程度ベースが固まっている中で、果たしてどのような采配を振るうのか。

 現地点での補強はドラフト組に加え、主にマイナーリーグで活躍した野手のジェイミー・ロマックの獲得が決まっている。ロマックに関しては日本の野球にアジャストするか未知数だが、メジャーでの出場が少なくマイナー時代が長かった経歴を考えれば、日本球界に来る前のラミレス監督と重なるところがある。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る