山田哲人「伝説の3連発」がシリーズの命運を変えるか!? (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

「3打席目はピッチャーを代えてくるとは思ってましたね。たぶん、(千賀投手が)来るかなって。去年、対戦したんですけど、真っすぐが速くて、フォークもよく落ちるというイメージがありました」(山田)

 バットを強く振った初球はバックネットへのファール。その後、ボールが3つ続いての5球目。千賀が投じたのは内角高めの148キロの真っすぐだった。

「空振りでもいいからと、思い切っていきました。でも、真っすぐが、自分の感覚よりも速くて、ちょっとつまったんですけど……」(山田)

 レフトスタンドへ飛び込む逆転2ランは、前述のように日本シリーズ史上初となる1試合3打席連続ホームランとなった。鳴り止まない歓声。球場は異様な興奮に包まれる。

 杉村繁チーフ打撃コーチは、山田のバッティングについて振り返った。

「あれが山田やね。2試合だめでも次の日に、ガラリと変わってヒットを4本打ったりする。そういうのを何回も見てるから、今日のことも不思議ではないんだけど。結果は出てなかったけど(2戦目まで7打数1安打)、本人も調子は良いと言ってた。しかし見事だね。切り替えが早い。日本シリーズ、1試合で3打席連続は史上初ですか。またやったなと。山田はいつもとんでもないことをやるよね(笑)。まあ、神宮に戻ってきて早出のティー打撃という自分のルーティンができたのも良かったのかもしれないね。福岡ではバッティングネットがなくてできなかったから。彼が打ったことで、これでチームも乗っていくんじゃないかな」

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