山田哲人「伝説の3連発」がシリーズの命運を変えるか!? (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 そして神宮球場へ舞台を移動してのシリーズ第3戦。先発は、ヤクルトが2年目の杉浦稔大、ソフトバンクは中田賢一。1回表、ソフトバンクは柳田悠岐のライト線二塁打で1死二、三塁のチャンスを迎えるが、李大浩が三振に打ち取られ無得点。

 すると1回裏、山田が中田の投じた甘いスライダーを見逃さず、バックスクリーン左に飛び込む先制2ラン。球場に漂っていた重苦しい空気を一気に消し去った。

「先制ホームランになりましたけど、序盤でしたのでそのまま勝てるという自信はなかったですね。最後までもつれるだろうなと思ってました」(山田)

 その言葉通り、ソフトバンクは2回にすぐさま同点に追いつく。杉浦はこの回だけで35球を要するなど、ヤクルトファンで埋め尽くされた神宮球場は再び重い空気に包まれる。

 だが3回裏、二死走者なしから山田が1打席目のVTRを見ているかのように再びバックスクリーン左に飛び込む一発を放ち、再び1点のリードを奪う。

「真っすぐを狙っていて、それをしっかり打ち返すことができたので、ホームランになったのだと思います」(山田)

 いよいよヤクルトに流れがきたかと思ったが、4回表、ソフトバンクの7番・今宮健太がバックスクリーンに同点本塁打を放つと、5回表には2番・明石健志もバックスクリーンを直撃する逆転本塁打。ソフトバンクが王者の野球をこれでもかと見せつけてくる。

 直後の5回裏、ヤクルトは4球でツーアウトとなるが、2番の川端慎吾が四球で出塁すると、球場がにわかに活気づく。ここでソフトバンクは先発の中田を諦め、剛腕・千賀滉大をマウンドに送る。

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