コイツはまだ使える。戦力外の中から「お宝」を探せ! (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

 ロッテを自由契約となった中後悠平(26歳)、植松優友(25歳)はともに希少価値の高い左腕ということもあり、動向を見守りたい存在だ。

 中後はスリークオーターやサイドなど、多彩な腕の出どころで「千手観音投法」と呼ばれて話題になった。近畿大時代には左打者のライバルたちから「ボールが抜けてきそうで怖い。絶対に対戦したくない」とまで言わしめた。ロッテでの4年間は、通算25回1/3を投げて27四死球と、制球難で首脳陣の信頼を勝ち取れなかった。しかし、打者から嫌がられるのは投手にとって武器であり、勲章。この長所を買うチームがあるかもしれない。

 植松は金光大阪高時代に中田翔(日本ハム)を13打数0安打と完璧に封じた投手として知られる。しなやかな腕の振りで、ランディ・ジョンソン(元ダイヤモンドバックスほか)と同じ背番号51を与えられ、長年にわたって期待を受け続けた。しかし、左肩の手術を受けた影響もあり、一軍デビューはプロ8年目の今季。2試合に先発して2敗、防御率7.88と結果を残せなかった。それでも、6月4日のデビュー戦(阪神戦)は球速表示よりも速く見えるストレートと変化球でかわして6回1失点と好投しただけに、まだ希望は捨てがたい。

 他にも、西武から戦力外通告を受けた石川貢(24歳)も、もう一度チャンスを与えてほしい外野手。2014年にはイースタン・リーグで93試合に出場し、打率.324、28盗塁をマークしたシュアな打撃と俊足が武器。外野守備は強肩が光るものの、打球判断に拙さがある。弱点が少しでも解消されれば、一軍戦力になりうる好素材だ。

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