2015年ドラフト「1位指名」はズバリ、この12人! (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Nagase Yuya/PHOTO KISHIMOTO

 印象的だったのは、U-18の世界選手権直前に行なわれた大学日本代表との壮行試合で、コンスタントに150キロ前後の剛速球で押しまくっていた田中正義(創価大)の149キロのストレートを敢然と振り抜き、ライトに強烈なライナーを弾き返した場面だ。

 使用していたのは木製のバットで、全身の連動でタイミングを合わせた一打は、もう立派にプロのバッティングだった。

 オコエ瑠偉については、10月4日にWeb Sportivaで掲載した「評価急上昇! オコエ瑠偉を必要としているのはこの球団」で触れたので、多くは書かないが、「誰も見たことがないような選手」に育っていくことを心から祈りたい。

 大学生の元気者は、高山俊(外野手/右投左打/明治大)だ。日大三高時代は3年夏に全国制覇を達成し、明治大に進んでも4年間大きな故障もなく、試合に出場し続けた。先日、明治大の偉大な先輩・高田繁氏(現・DeNA GM)が持つ127安打の東京六大学通算安打記録を48年ぶりに更新したヒットメーカーだ。

 じつは、この選手の“クリーンヒット”というのを、ほとんど見たことがない。その多くは、「よくそんなコースにバットを出すよなぁ」「なんであんなコースを芯でとらえられるんだ」というような、“曲打ち”みたいなバッティングで、あり得ないボールをあり得ないバッティングで弾き返し、相手バッテリーを苦しめてきた。

 セオリーでは説明できない高山のバッティングの感性には、ただただ驚くばかりだ。おまけに50メートル5秒台の俊足と、遠投110メートルの強肩も手伝って、入団するチームによっては、開幕一軍はもとより、リードオフマンになっている可能性もある。

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