川端、山田、畠山。史上初の「バラバラ三冠王」を達成した3人の思い (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 川端選手、山田選手、畠山選手と続く打線は、二死走者なしからでも得点の期待感がありました。実際、共鳴するようにヒットを重ね、わずか数分で得点する場面も多くありました。

「今年はバランスが悪かったので、ここぞという場面で“最大集中”したいという思いがありました。もちろん、全打席集中しているのですが、全打席を最大集中というのは難しいので……。相手のボールを見極めながら、その日、いちばんの場面で最大集中しようと。そういう意味で、僕の意識とマッチした打順だったのかもしれません」

 また、首位打者に輝いた川端も自身初のタイトルとなった。シーズン195安打が示すように今季はヒットを量産。1試合3安打以上は21試合を数えた。そして2番打者ながら犠打はわずかに2個。真中満監督が理想とする「攻撃的2番打者」を現実のものとした。

 今季の川端のバッティングを見て感じたことは、好不調の波が緩やかだったことだ。たとえば、2試合無安打に終わっても次の試合できっちり3安打を放つなど、シーズンを通して明らかなスランプは一度もなかった。

「休日には治療院に欠かさず行きましたし、コンディションの悪い日が少なかったことがいちばんですね。体が元気な分、しっかり練習することができましたし、痛いところなく試合に臨むことができました」(川端)

 杉村繁チーフ打撃コーチは「今年、ウチでいちばんバットを振ったのは川端じゃないかな」と言った。実際に川端は早出練習で、ショートゲーム(緩いボールを打ち返す練習)のあとにティー打撃をするなど、かなりハードな練習を続けていた。さらに、猛暑が続く中でも、早出のバッティング練習のあと、外野のポール間のダッシュを何度も繰り返していた。

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