選手プロデュース弁当界のナンバー1は「のりもとんカレー」だ

  • 長谷川晶一(12球団ファンクラブ評論家Ⓡ)●文・写真  text & photo by Hasegawa Shoichi

 ここまで、「これでもか」とギッシリとおかずが詰まった弁当は他にはない。体調を万全に整えて、しっかりと空腹状態をキープした上で食べれば最高のコスパだろう。

 選手プロデュース弁当業界において、異彩を放っていたのが銀次プロデュースの「銀の海鮮弁当(1200円)」だった。上記の稼頭央弁当のように、基本的には「肉中心」の選手プロデュース弁当において、ソフトバンクの柳田弁当と並ぶ少数派の「海鮮弁当」! 毎回毎回、同じような弁当ばかりが続いていた僕は、迷わずこれを購入。いくらのしょうゆ漬けとアナゴの照り焼き、銀鮭の粕漬け焼き......。どれもサッパリとしていておいしい。さらに、きゅうりの一夜漬け、小茄子辛子漬け、大根甘酢漬け、すき昆布浅漬けと、とにかく漬物が多いのも嬉しい。育ち盛りの若者には物足りないだろうけれども、老化盛りのオッサンにはこれぐらいがちょうどいい。

 盛りつけも味付けも上品。ホテルの味を球場で!「のりもとんカレー」盛りつけも味付けも上品。ホテルの味を球場で!「のりもとんカレー」

 さてもう一つ、どうしてもご紹介したいのが則本昴大投手プロデュースの「のりもとんカレー(950円)」だ! この夏、北は札幌から南は博多まで、パ・リーグ6球団のスタジアムでおよそ50食の球場グルメを食べてきたけれど、僕にとって最もおいしかったのは、このカレーだった! コボスタ2階コンコース「メトロ倶楽部」において販売されているこの店舗は、仙台駅前のホテルメトロポリタンが運営しているのだという。まさに、ホテルのレストランの味がそのまま再現されていた。

 ふたを開けた瞬間に、スパイシーないい香りが鼻腔をくすぐる。ひと口食べてみると、辛口でありながら、ただ刺激が強いだけではなく、口の中に香ばしい余韻が漂うのだ。地元名産の「伊達ざくらポーク」はスプーンで簡単にちぎれるほどにやわらかく、揚げたジャガイモ、塩ゆでされたニンジンも、いずれも上品な味わい。気がつけば、あっという間に完食。文句なく、選手プロデュース弁当界のナンバー1に認定したい。この絶妙なカレーを生み出してくれた楽天・則本昴大投手にも、改めて心からのお礼を言いたい!

(次回シリーズでは「ボブルヘッド人形」を徹底比較します)


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