西武・高橋光成「5連勝で満足している余裕はないです」

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Kyodo News

 かつて、前橋育英時代の恩師、荒井直樹監督がこんなことを言っていた。

「僕の高校時代(日大藤沢)の1年後輩に山本昌(中日)がいるんですけど、ものすごくいいヤツなんです。試合後の囲み取材で取材陣から『お疲れでしょうから座ってください』と言われても、『みんなが立ってるから、いいよ』と言うらしいですよ。よく、『プロでやっていくなら“ワル”くらいがちょうどいい』と言われますけど、僕は違和感があります。『いい子で何が悪い!』と思うんですよ。高橋には、山本昌のようなプロ野球選手になってほしいですね」

 荒井監督の願い通り、ここまで真っすぐに、おおらかに育ってきている高橋光成。インタビューでは、エアコンのスイッチを自ら入れたり、空腹であることを突然カミングアウトしたり、独特なマイペースぶりを見せてくれた。チーム関係者に聞いても、「先輩たちみんなから、かわいがられていますよ」という。

 鷹揚な雰囲気が、大器をさらに大きく見せている。野球ファンの過大な期待を注いでもすべて受け止めてくれそうな大きな器は、まだ完成までに時間がかかるだろう。その過程を見守れる幸せを噛み締めながら、高橋光成の次なる登板を楽しみにしたい。

プロ野球 の記事一覧>

6 / 6

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る