85年V戦士が語る「30年ぶり日本一へ、今の阪神に必要なこと」 (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Kyodo News

 そして福間氏は、「今の状況は85年よりも92年ですよね」と指摘する。92年は10月に入っても阪神、ヤクルト、巨人が1ゲーム差の中にひしめき合う大混戦だった。阪神はシーズン途中から亀山努、新庄剛志の“亀新コンビ”がチームに勢いをつけ、9月半ばに首位に立った。9月19日には2位に3ゲーム差をつけ、残り15試合。5割でも優勝とみられていたが、13試合の長期ロードで3勝10敗とまさかの大失速。最後は甲子園でヤクルトとの2連戦があり、連勝すればプレーオフに持ち込めたが、初戦であっけなく敗れ、阪神のシーズンは終わった。

 今年も18日から12連戦が始まったが、当時の苦い記憶を拭い去る戦いを見せたいところだろう。

「92年の時、僕は解説をしていたんですけど、中村(勝広)監督がロードに出る前に『大きなお土産を持って帰ってきます』って言っていたのですが、それがあんな結果になってしまって……。だけど、最大の失敗は優勝目前で戦い方を変えたこと。先発だった湯舟敏郎らをリリーフに回したんです。気持ちはわからないでもないですけど、それをやってしまうとリリーフ陣は『今までやってきたオレたちは何なんだ』となる。そういう空気が戦いに影響したりするんです。今年はそういうことはないでしょうけど、ベンチは今まで通りの戦いをすること。ここに来て違うことをやってもいい結果は出ません」

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