「打率&防御率」ともに5位なのに優勝争いを演じる阪神の謎 (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva  小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 一方、左腕の柱である能見は、相手チームとの相性重視でローテーションが組まれてきた。特に広島戦を得意としており、登板間隔を空けてでも回ることがある。他の先発投手に関しても、相手チームの得意・不得意以外に、球場の相性なども考えて登板するようになった。阪神の首脳陣は、勝てる試合を取りこぼさないような工夫をこらしている。

 また、安藤優也-福原忍-呉昇桓という「不動の勝ちパターン」の中継ぎ陣も安定してきた。後ろにバトンを渡せば大丈夫、という安心感がある。肩の消耗が激しいリリーフ陣に対しては、ブルペン内での球数や、肩を作る回数など、徹底的に管理されているという。1年間、戦える万全の状態が保たれてきた結果、中継ぎ陣に白星がつくことも多くなった。チームを支えているのは、先発投手だけではない。

 対する打線では、福留孝介の存在が大きい。昨年は不調の時期もあり、目立つ活躍はシーズン終盤に固まってしまった。しかし、今年は開幕からチャンスに強く、さすがベテランという試合が多く見受けられるようになった。ゴメスやマートンが今ひとつ波に乗り切れないなか、福留が得点源になっているのが今年の特徴だ。3年目となるタテジマでは初めてふたケタ本塁打をマーク(19本塁打)し、打点も昨年の2倍(68打点)になった。9月3日の広島戦からはタイガースの4番に座り続けている。

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