阪神タイガースの「9月失速説」は本当か、思い込みか? (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

2014年(和田豊監督) この年も2位で終了するも、9月、10月は13勝13敗だが、9月9日からの巨人3連戦で痛恨の3連敗、その前の中日戦でも3連敗しており、この6連敗で優勝は絶望的となるのだった。


 科学的根拠はなくても、これだけの例が並べば「阪神は秋に失速する」と思わずにはいられない。しかも、CSは5回進出で4度のファーストステージ敗退(唯一の例外が2014年の勝ち上がり)。日本シリーズも6度出場の中で、日本一となったのは1985年の1回きりなのである。

 さて、今シーズンである。阪神はここまで首位を守り続けてきたが、9月の成績は4勝3敗で、ついにヤクルトと同率で並んだ(9月10日終了時)。さらに、この先の日程はかなり厳しいものとなっている。ヤクルトと3試合、3位の巨人と3試合、今季苦手としている広島と7試合も残っているのである。さらに、9月18日からは12連戦が待っている。連戦中、甲子園での試合は4試合だけ。当日移動の試合も多く、広島に大きく負け越せば4位転落もある。10年ぶりのリーグ優勝へ向かう阪神の9月、10月の戦いから目が離せないのである。

 最後に、阪神が黄金期に突入したと思われた時期に話を聞いた、古くからの阪神ファンの声を書き残しておきたい。

「弱いときは『今年こそ優勝』とお題目みたいに言うてたけど、毎年優勝やったら飽きる。夢は夢のままがええと思うんです。人間、ほとんど成功しないですやん。それとタイガースがオーバーラップするから、好きなんですわ」

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