解説者7人に聞く「大混戦のセ・リーグを抜け出すのはどこだ?」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

与田剛(元中日、ロッテほか。第2回と第3回WBC投手コーチ)

「9月の戦いは、投手のデキが大きく勝敗を左右します。特に、完投できる投手が揃っているチームは強い。そういう意味で、藤浪晋太郎やメッセンジャーがいる阪神がやや有利ではないでしょうか。ヤクルトは先発陣の不安が大きすぎます。完投数3はリーグ最少ですし、リリーフ陣もこの時期の連投は肉体的にも精神的にも堪えます。先発がどこまで持ちこたえられるのかが、カギになるでしょう。逆に巨人は、阪神の投手力やヤクルトの攻撃力といったセールスポイントがありません。主力打者も不振が続き、エースの菅野智之も貯金ゼロ。それなのにこの位置につけているのが不思議というか、不気味でなりません。優勝経験のある選手が揃っていますし、競った展開になれば、巨人の本当の強さが見えるかもしれません」

山﨑武司(元中日、オリックス、楽天)

「この時期、普通は『優勝に向けて加速しているな』というチームがあるのですが、今年はそれがない。最後まで順位は動くでしょう。とはいえ、残り試合を考えれば阪神がやや有利に思います。打撃成績や投手成績はよくないけど、僅差で勝てているのが大きい。ただ、絶対的な強さがあるようには見えない。マートンも例年のような安定感がないし、ゴメスも昨年ほどじゃない。投手陣もメッセンジャーと能見篤史で貯金をつくれていない。この先もこのようなゴチャゴチャした展開になると、経験豊富な巨人が上にいるかもしれない。阪神としては少しでも引き離しておきたいところでしょうね」

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