4連覇のキーマン。巨人の新核弾頭・立岡宗一郎にかかる期待 (2ページ目)

  • 高松正人●文 text by Takamatsu Masato
  • photo by Kyodo News

 首脳陣には反省がない、気のないスイングに映ってしまったのだ。翌31日の試合で立岡はスタメンから外れ、同じ俊足の左打者・橋本到が起用された。

「二軍にいた頃は、とにかく1打席1打席しがみついてやる、という気持ちだった。それが失われたわけではないですが、どこか打席の中で欲が出てきてしまったのかもしれない。『この打席ではこうしよう』とか......」

 立岡の特長であった怖いもの知らずの、野性味あふれるプレイスタイルが失われていた。あるコーチは言う。

「外野守備のうまさでいえば、橋本の方が上。でも、立岡はチームに必要なバッティングをずっとしていたからね。(スタメン落ちして)ここからどう巻き返すのかだね」

 8月1日の中日戦、立岡は2点を追う9回、代打で起用された。一死一塁の場面で打席に立つと、思い切りのいいスイングでセンター前に弾き返してチャンスを広げた。その後、片岡治大の同点タイムリー、坂本勇人のサヨナラヒットでチームは勝利を収めた。その翌日の試合から立岡は再び「1番・センター」でスタメンに復帰。8月はここまで77打数34安打(打率.442)と、結果を残している。

 立岡は二軍にいた時から1番で多く起用されていた。岡崎郁二軍監督はその意図を次のように語った。

「一軍でなかなか1番に定着する選手が出てこなかったので、立岡を使い続けました。今はしっかり結果を残していますが、打てなくなる時は必ず来る。原監督はその時の姿勢を見ていると思いますよ。ヒットが出ないなら、出ないなりにどのように現状を打破するのか。それによって、一軍の1番打者としてずっと出場できるのかが決まると思います」

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