ヤクルトの川端、山田、畠山が挑む史上初の「バラバラ三冠王」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 ある日の神宮球場・室内練習場でのこと。山田はこの日も早出のティーバッティングで汗を流していた。その横では順番待ちの川端が練習を眺め、時おり楽しそうに会話を交わしている。そこへバットをぶら下げた畠山が近づいてきて、山田と川端を見て「オレもこの中に入れば打てるかな」と言って、無邪気な笑顔を見せたのだった。山田は前日、川端は前々日にそれぞれ4安打を打っていたからだ。3人とも高卒でヤクルトに入団し、年齢は5歳ずつ離れているが、じつにいい関係を保っているように見えた。

 川端、山田、畠山の3人がプロ野球史上初の“快挙”を達成した時、ヤクルトは2年連続最下位からの脱出はもちろん、14年ぶりの優勝も現実味を帯びてくるのである。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る