デストラーデが語る「西武黄金時代と日本野球」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Sportiva

―― デストラーデさんは93年に大リーグに復帰。その前には、阪神でプレイしたセシル・フィルダーや、巨人のウォーレン・クロマティ、ビル・ガリクソンが日本球界を経てメジャーリーグに復帰しました。そして95年には野茂英雄がドジャースに入団し、日本人にとってメジャーリーグが身近なものとなりました。

「日本とメジャーリーグの今日の関係の土台となったのは、間違いなく野茂さんだよ。僕にとって彼は偉大なライバルだった。藤井寺球場で野茂さんから打った場外ホームランは忘れられない思い出だね。それまで10個以上の三振をしていたからね(笑)。打った後に、私が『どうだ!』ってバーン(弓を引くポーズ)をやったら、野茂さんがこっちを見て『ワォ』って目を丸くしていたんだ(笑)。でも、次の打席ではまた三振だった(笑)。野茂さんの精神力は信じられないくらいにすごかった。当時、誰もがメジャーで野球をするとは考えていなかった中で契約を成し遂げた。野球は日本ですでにビッグスポーツだったけど、野茂さんはそれをさらに大きくした。本当に映画化すべき題材なんだ」

後編に続く


【プロフィール】
オレステス・デストラーデ/1962年5月8日、キューバ出身。81年にヤンキースと契約し、87年にメジャーデビュー。88年5月にトレードでパイレーツに移籍。89年6月に西武に入団。83試合の出場ながら、32本塁打を放つ。90年は42本塁打、106打点で二冠王に輝く。91年も39本塁打、92打点で2年連続二冠王を獲得。92年も本塁打王を獲得するなど、3年連続日本一に貢献。93年からMLBに復帰し、2年間マーリンズでプレイ。95年に再び西武に入団するが、シーズン途中で退団。現在はフロリダを中心に野球解説者として活躍している。

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