7年ぶり日本人キングへ。畠山和洋は「調子が悪いとホームラン」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ヤクルトの杉村繁チーフ打撃コーチが「遅咲きの選手」と言うように、ホームランレースに加わったのは、23本で2位となった2011年の一度だけしかない。また、今年で15年目を迎える畠山だが、規定打席に到達して打率が3割を超えたのは、実は昨年が初めてだった。

 杉村コーチは、今シーズンの畠山のホームラン量産には3つの要因があると話してくれた。

「彼の目標はやっぱりホームラン30本だと思う。去年の春から一緒にティーバッティングを始めて、広角を意識して打率は3割を超えたけど、ボールが上がらなかった。その原因がバットの角度でした。今年はバットを上から叩き気味で出しているので、ヘッドが効いてボールにスピンがかかるようになった。加えて、待っていないボールをファールにできるなどの技術が高い。何よりも配球の読みが素晴らしいよね。実際は配球を読んだところで、そう甘いボールは来ないんだけど、今年はその数少ない甘いボールを逃さない。そして、畠山がホームランを量産することで、配球の読みをさらに効果的にしてるかもしれない。相手はホームランを打たれないようなボールを投げようとするわけだから、畠山にとっては配球を読みやすい状況になるからね」

 畠山を見ていると、杉村コーチが言うように「考える打者」だなと思うことがあり、その独特な雰囲気は何とも言えないものがある。

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