巻き返しに自信。オリックスナインが語る絶大な「金子効果」 (3ページ目)

  • 波佐間崇晃(オリックス・バファローズ球団映像アナウンサー)●文 text by Hazama Takaaki
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 2年目の東明大貴(とうめい・だいき)も「試合以外の部分もすべて含めて金子さんはお手本」と話す。東明は金子が戻るまで8試合に投げて1勝3敗、防御率4.11と苦しんだが、金子復帰後4試合のうち3試合でクオリティスタート。逃した1試合も6回途中で降板したが自責点1と、すべての登板でゲームを作っている。6月24日の楽天戦では7回1失点の好投で4月16日のソフトバンク戦以来の白星を手にし、金子の存在に引っ張られるように調子を上げている。

 もうひとり、躍動感ある投球が戻ってきたのが、次期エースとして期待されている西勇輝だ。金子不在の間、西は7試合に登板して1勝3敗、防御率3.56と苦しんだ。打線の援護に恵まれない試合もあったが、「昔から金子さんには、打線の援護は気にしないようにと言われています。打てる時もあれば打てない時もあるのがバッティング。金子さんが今ここにいたら『大事なことは試合で自分の投球ができるかできないか』だと言われると思います」と話していた。この時期、顔のけいれんで登板を回避するというアクシデントもあった。西のつらい時期の支えとなっているのが金子なのだと感じた。

 そして金子が一軍復帰登板を果たした翌日の5月24日のロッテ戦。西は昨年4月8日以来の完封勝利を果たす。すると翌週の5月31日広島戦では自己最多の1試合13奪三振をマーク。金子復帰後は5試合に投げて3勝0敗。37イニングを投げて失点はわずか4。防御率0.97という圧巻の数字を見せている。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る