熾烈なパ・リーグ首位打者争いにみる「打率.350の世界」 (5ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― ハイレベルな争いはまだ続きそうですか。

「まだシーズンの半分もいってないのでね。イチローはこの時期に4割を超えている年があったし、バースもそうでした。イチローが打つのは当たり前のことで、ヒットが出なかった日に記者から『今日はどうしたんですか?』と聞かれる打者でしたよね。それを思うと、彼らはまだそこまではいっていない。今年はへばるような天候もまだないし、夏場になってどうなるのか。今はドーム球場が多いから、その点はやりやすいのかもしれないけど、これからが本当の勝負だと思います」

 そして新井コーチは3割5分以上を打った経験者として、彼らにこうエールを贈った。

「名選手になれば、一度は3割5分以上を打つことがありますけど、3割5分以上を2度経験した選手は10人もいないんじゃないかな。彼らには、この1年だけで終わらないようになってほしいですよね」

 史上稀に見るハイレベルな首位打者争いはどこまで続くのか。いずれにしても、この経験は彼らの野球人生に大きな自信を植え付けることだろう。

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