今や貴重な選手の供給源。高まる独立リーグの存在価値 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 デニングが話すように、独立リーグの最大の目的はNPBへ選手を供給することだ。独立リーグから初めてNPBのプロ野球選手が誕生したのは2005年のことで、西山道隆がソフトバンク、中谷翼が広島にそれぞれ育成ドラフトで指名され入団した。2006年には深沢和帆がドラフト5位で巨人に指名を受け、独立リーグ初のNPB支配下登録選手となった。2013年のドラフトでは又吉克樹が過去最高となるドラフト2位で中日に入団。昨年のドラフトでも育成を含め、5人の選手がNPBから指名を受けた。これまで独立リーグからドラフトにかかり入団した選手は育成も含め60人。ちなみに、今シーズンは18人が支配下登録され、4人が育成選手としてプレイしている。

 6月5日、神宮球場。ヤクルト対ロッテの交流戦の試合前、球場入りした角中勝也(ロッテ)は練習をしていた三輪正義(ヤクルト)のもとへ駆け寄っていった。

「チームは違いましたが、1年間同じ独立リーグでプレイしましたからね。身近に感じないといえば嘘になります」(三輪)

 角中は四国アイランドリーグの高知ファイティングドッグスでプレイし、2006年のドラフトでロッテから7位で指名され入団。三輪は同じく四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズから2007年のドラフトでヤクルトから7位指名を受けた。

2 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る