岡田彰布氏に聞く「逆転優勝へ、阪神に何が必要か?」 (3ページ目)

  • 田沢健一郎●文 text by Tazawa Kenichiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 開幕一軍を果たしたドラフト3位ルーキーの江越大賀選手(22歳)は二軍落ちしていましたが、再び戻って来ました。

岡田 結局、ここ数年、阪神の新人野手で真のレギュラーになった選手はいないでしょう。打線もマートンとゴメスの外国人選手が中心だし、そういうチームつくりをしているから若い選手がレギュラーに割って入るのはなかなか難しい。メッセンジャーの無気力騒動があったけど、外国人頼りというチーム状況が、外国人選手に対して甘いという空気につながっているのかもしれない。そういう意味でも、若い選手は必要になってくるでしょうね。

―― とはいえ現状を考えれば、昨年首位打者のマートン選手、打点王のゴメス選手の活躍は欠かせません。

岡田 今の阪神打線の得点源はこのふたりだし、彼らが打たないことには阪神の浮上はない。昨年、3番・鳥谷敬、4番・ゴメス、5番・マートンのクリーンアップは12球団でいちばん機能していたのに、今季は開幕から鳥谷を1番で起用するなど打順を変えました。勇気ある決断だったと思いますが、何であのクリーンアップを変えたのか不思議でもありました。打順が変わると役割も変わってくるから、そのあたりで戸惑いがあったかもしれないですね。

―― そうした打順の組み換えなども今後は検討材料になるかもしれませんね。一方、投手陣はどのような印象を受けていますか。

岡田 藤浪晋太郎は心配していたけど、力のあるボールを投げるようになってきたし、メッセンジャーも昨年のいい時に戻りつつあります。これから夏場に向けて、ベテラン勢は体力的にきつくなるかもしれないけど、経験豊富だし、乗り切る術を知っている。野手に比べて若い力も出てきているし、投手陣は心配ないでしょう。

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