西武・森友哉の激白「キャッチャーよりもDHがいい」 (3ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 それでも、「捕手は実戦で経験を積まないと育たない。球団はどう考えているのか」というように、19歳のDH起用に疑問を投げかけるメディアもあった。もちろん「打てる捕手」として育ってほしいという思いもあるのだろうが、森の本当のすごさは「捕手」ではなく「打者」なのだ。事実、森は次のように語る。

「よく『守りからリズムを作る』とか『守った方がバッティングにいい影響を与える』と言う人がいるじゃないですか。その感覚、僕にはないんです。打つことだけで言えば、キャッチャーをやっている時より、DHの方が絶対にいい」

 昨シーズン、森は41試合に出場して打率.275、6本塁打、15打点の成績を残したが、先発マスクを被った14試合は打率.227、2本塁打、6打点。はっきりと数字に表れた。

「キャッチャーとして試合に出ると、考えることがいっぱいで試合中は常に守りのことが頭にあります。それに、試合が終わったあとの疲れ方が全然違います。だから、バッティングに集中できるということでいえば、DH、外野、キャッチャーの順ですね」

 以前、「バッティングでいちばん大事にしていることは?」と聞いた時、森は「打席の中で無になることです」と言い、こう続けた。

「無になれた時は、ほとんど打っているイメージがあるんです。高校2年の夏に健大高崎戦でホームランを打ったのですが、あの時がいちばん無になった感じがありました。1球目を見送った時に、パッと頭の中に次の球のイメージが沸いて、それをこういう感じでスイングすれば打てると。そしたら、その通りのボールが来て、イメージ通りにスイングしたらホームラン。あの時は最高に集中できていたんだと思います」

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