「投げたくない」。巨人・山口鉄也がブルペンで漏らした本音 (4ページ目)

  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 一見、マウンド上では堂々と投げ込んでいるように見えますが、ぐっさんは「本当に自信がないんです」と言っていました。常に最悪の事態を想定し、マウンドに上がる。だから、ランナーを背負っても冷静でいられるし、どんなに調子が良くても用心深いピッチングをするんです。それに自信がないからこそ、体のケアや準備を怠らず、練習に励むことができた。その積み重ねが、7年連続60試合登板という強靭な体を作り上げたんです。

 球界では1年に50~60試合投げると、翌年はダメになると言われてきました。私が阪神にいた時、ある中継ぎ投手に1年投げたら翌年はファームという選手がいました。それだけ中継ぎというのは過酷な仕事だということです。だから、ぐっさんの残してきた数字がどれだけすごいものか、わかってもらえると思います。今までと変わらずマイナス思考のままでいいので、これからも投げ続けてほしいですね。

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