ベイスターズ17年ぶりVへ。打撃3部門を独占せよ! (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 98年の優勝メンバーで現・野球解説者の野村弘樹氏は言う。

「今年の梶谷、筒香の破壊力と安定感は、98年の日本一の原動力となった鈴木尚典、ロバート・ローズのコンビに似ています。彼らが打線の中心でしっかり仕事をしてくれるから、その周りを打つ選手たちにもいい影響を与えている。また、筒香がランナーを還すだけでなく、チャンスメイクの働きもするので、打線として隙がありません」

 象徴的な試合は、5月2日の中日戦。1-3と2点ビハインドの9回表、二死から筒香が内野安打で出塁すると、ロペス、バルディリス、関根大気、黒羽根利規の連打で一挙4点を挙げ大逆転。また、5月6日のヤクルト戦でも、1点ビハインドの6回裏に梶谷が四球で出塁すると、筒香、ロペス、バルディリス、関根の4連打で3点を挙げた。

 打線のつながりという意味では、98年の"マシンガン打線"に匹敵する破壊力を秘めている。当時のマシンガン打線は、1番の石井琢朗が出塁すると、波留敏夫がつなぎ、鈴木尚典、ローズ、駒田徳広のクリーンアップがランナーを還す。さらに下位には谷繁元信、進藤達哉が控えていた。長打に頼ることなく、単打を重ねることで次々と得点していくのが持ち味だったが、時には本塁打もあれば、足でかき回すこともあった。そのたたみかけるような攻撃に、相手チームは圧倒されていた。

 打線のつながりということに関して、筒香はこのように語っている。

「今年は走者がたまった場面で打席に入ることが多いですね。前の打者がしっかりつないでくれるので、ランナーを還すことだけに集中しています」

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