現役選手が語る「高卒2年目、西武・森友哉の衝撃」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 栗山は森について、こんなことを教えてくれた。

「バッターには“目つけ(待つ)”というのがあって、たとえば真っすぐを目つけしたとします。僕たちのような普通の打者は、真っすぐに目つけをしても『ただし高め』とか『ただしアウトコース』とか、『ただし』がつくんですよ。でも、アイツの場合は制限がない。真っすぐを目つけすれば、高めだろうがアウトコースだろうが、しっかり打ちにいける。さらに、プラスαで抜いた変化球にも対応できる。打席の中でマイナス要素はひとつもないんじゃないですかね」

 当然のことかもしれないが、森は才能だけで活躍しているわけではない。オープン戦の不振で開幕前はファーム落ちを経験し、一軍に復帰した当初も思うような結果は出ていなかった。そうした中で、4月13日から球場に早く来て、ランニングをするようになった。

 西武の坂元忍トレーニングコーチは言う。

「指名打者は運動量の面でどうしても他の選手より少なくなってしまう。そこでランニングの量を増やしてみようということになったんです。最初はちょっとサボるところがあったのですが、ちょうどいい具合にその時は結果が出なかった(笑)。それで本人もこのままではいけないと思ったのでしょう。それから継続してやっています」

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