楽天が掲げる「超機動力野球」。ライバル球団の反応は? (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

 前出の飯田コーチは、「盗塁の数が増えたからといって、勝てるわけではない」と言い、こう続けた。

「楽天ぐらい走ってくると準備もできます。正直、盗塁数は増えるでしょうが、走らずにじっくり攻めるという場面もあっていいのかなと思いますよね。走ると警戒させておいて、ピッチャーのボールの精度を落とさせるという狙いもあるのでしょうが、ウチはウチの野球をやるだけです」

 過去にシーズン200盗塁以上を記録したのは18チーム。1954年には、パ・リーグの4チームが200盗塁以上を記録するなど、ほとんどは50年代に集中している。ちなみに、90年以降でシーズン200盗塁を記録したのは、1997年の西武だけである。そして西武は、この年リーグ優勝を果たしている。

 黒木コーチは現役時代、この時の西武と対戦している。

「もちろん、覚えています。松井稼頭央、大友進、高木大成といった足の速い選手が1番から3番に並んでいましたよね(3人で計117盗塁)。あの当時は、相手チームとしてスタートを切らせないことに重点を置いていましたね。当時の西武と今の楽天を比較すると、走力という部分では互角だと思います。200個を目指すのであれば失敗も当然あります。200個に届いた時に、何かが見える可能性はあります。相手チームとしては、とにかくスタートを切らせないことを徹底するだけです」

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