楽天が掲げる「超機動力野球」。ライバル球団の反応は?

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Kyodo News

黒木知宏(日本ハム投手コーチ)

「(投手からしてみると)打者に対するストレスだけならいいのですが、走者を背負うことでそのストレスが2倍になってしまう。そうなると打者に集中しづらくなってしまうんです。少しでもストレスを緩和するために、クイックをするのですが、かつては投球動作を開始してから捕手にボールが到達するまでのタイムは1.2秒なら及第点と言われてきましたが、今はそれだとスタートを切られてしまいます。つまり、1.15から1.10秒を目指さないといけない。ただ、そうなるとフォームにも影響が出てきてしまいますので、やはり足は脅威です」

 次に選手たちにも聞いてみた。

炭谷銀仁朗(西武/捕手)

「今年の楽天は、盗塁を仕掛けてくる印象が強くて警戒しています。でも、たとえば、日本ハムの西川(遥輝)や中島(卓也)のような足のある選手がボンボン走っているわけではありません。そこそこ足があり、今までスタートを切っていなかった選手が走っているだけなので、変な言い方になりますが、最低限の準備をしておけば慌てることはないですし、気持ちの部分で余裕もあります。大事なのは、盗塁をされたあとにアウトをしっかり取ること。今のところ、その対応はできていると思います」

―― 炭谷選手とって、嫌な走者、盗塁とは?

「やっぱり、打者との兼ね合いですね。先程、名前を挙げた日本ハムの西川がバッターで、中島がランナーの時に、ふたり揃って駆け引きされると嫌ですよね」

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