防御率1点台! ヤクルト投手陣「覚醒」の秘密に迫る

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 あれから1カ月が経ち、シーズンに突入。そして今回、ヤクルト投手陣を取材していると、「中村のリードが良かった」「中村さんに助けられました」という声をよく聞く。再び中村悠平を直撃した。

―― 中村選手のリードが良かったという声を、何人ものピッチャーから聞きました。

「それは嬉しいですけど、僕のリードというよりも試合前のバッテリーミーティングで『1点を恐れずに攻めていこう』と、意思確認ができていることが大きいと思います。カツノリさん(野村克則バッテリーコーチ)が『1点を恐れるな』と何度も言ってくれるので、ピッチャーは思い切った投球ができるんです。昨年は1点を取られることを恐れて、初回から8回や9回のような厳しいリードをしてしまっていました。その結果、3~4点取られることがたくさんありました。今年は『ソロホームランだったら仕方がない』と、割り切ったリードができています。それも大きな要因だと思いますね」

 試合前に行なわれる15分程度のバッテリーミーティングでは、映像などを見ながら、相手打者への明確なピッチングプランを話し合う。そして4月18日のDeNA戦の試合前、中村はこんな話をしてくれた。

「僕自身は試合前の準備を、より丁寧にするように心掛けています。今日の先発は石川さんですが、昨日の試合が終わった時点で、どうやって梶谷(隆幸)選手や筒香(嘉智)選手を打ち取るのかのイメージ作りをはじめます。そして試合前ミーティングで、そのことを石川さんに話します。逆に、石川さんからの意見も聞きます」

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