好調ベイスターズ。改革のキーワードは「走」 (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

 当然ながら、打撃力があるのは戦う上で大きなアドバンテージであるが、それだけで勝てないのが野球である。では、ベイスターズの好調を支えているものが他にあるのか。

 進藤達哉ヘッドコーチは、好調の要因のひとつとして「走塁」を挙げる。

「これまでとの大きな違いは、各選手が怖がらないで走れていることです。積極的に走ることで、攻撃のリズムが生まれますし、相手も必要以上に意識してくれます」

 ここまでベイスターズの盗塁数13個はリーグトップタイ。特に、昨年盗塁王のタイトルを獲得した梶谷は、リーグトップの6個をマークしている。梶谷の場合、主砲の筒香が打席に入っていても、基本的にはグリーンライト(自らの判断でスタートしてもいいというサイン)だという。梶谷はこう語る。

「僕が塁に出て、相手バッテリーに『走るぞ』とプレッシャーをかければ、当然、ストレート系のボールが多くなります。そうなると、筒香も狙い球を絞りやすいと思うんです。それに筒香の後の打つバッターも調子がいいので、簡単に歩かせられない。とにかく塁に出れば、積極的に仕掛ることだけを考えています」

 一塁コーチャーを務める小池正晃コーチも、選手たちの積極的な走塁を後押しする。

「進藤ヘッドコーチの方から、スチールで次の塁を狙ったり、チャンスがあればどんどん次の塁を狙わせるように言われています。走塁というのはチームに勢いをもたらすものですし、そのあたりが開幕ダッシュにつながっているんだと思います」

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