松坂離脱よりも深刻!? ソフトバンクが抱える「外国人枠」問題 (2ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

 ヤフオクドームでの試合は工藤公康監督も視察した。だが、頼もしい新戦力の快投を素直に喜べない理由があった。工藤監督は困ったような笑顔を浮かべ、こう話す。

「難しいね。枠があったらすぐ(一軍に)上げたいくらい」

 思わず本音が漏(も)れた。

 現在の制度では外国人選手の一軍登録枠は4人と決まっている。ソフトバンクの場合、先発ローテーション投手で今季すでに1完封を含む2勝をマークしているジェイソン・スタンリッジ、昨シーズン37セーブを挙げた守護神のデニス・サファテ、ソフトバンク打線の主軸として活躍している李大浩(イ・デホ)の3人は、開幕前からすでに決まっていた。

 そしてバンデンハークは4人目の外国人選手として名前が挙がっていたのだが、春季キャンプ中盤に左脚内転筋を痛めて一時離脱。その間、急激に評価を上げたのが、昨季戦力外となり、育成選手として再契約したエディソン・バリオスだった。

 バリオスは2013年に初先発初勝利を挙げるなど、先発として投げていたが、工藤監督の意向によりリリーフに配置転換となった。これが見事に的中した。オープン戦で好投を続け、再び支配下登録されると、開幕一軍のメンバーにも選出。そして五十嵐亮太が故障で遅れていることもあり、バリオスは守護神につなぐ8回を任されるセットアッパーとして欠かせない戦力となった。

 一方で、李大浩は開幕から打率1割台と不振を極めているのだが、外国人選手の登録は「投手もしくは野手、それぞれ3人まで」となっており、投手ばかり4人を登録することはできない。工藤監督も「(他の投手が)調子を落としたりすれば、わかりやすいんだけど......」と頭を抱えるしかない。

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