復帰初登板&初勝利。広島ナインが語る「黒田効果」 (4ページ目)

  • 前原淳●文 text by Maehara Jun
  • photo by Kyodo News

 試投を繰り返し、3月16日の日本ハム戦で初めて実戦で投げて上々の感触を得た。最終調整と位置づけたウエスタン・リーグ中日戦では、シーズンでも使えるメドが立った。当初はフォークを習得中ということもあり「シーズン中に覚えられれば」と話していたが、助言から1カ月足らずでの完全習得。

「際どいコースに投げようとしていたけど、真ん中に投げても自然と厳しいコースにいる。そう考えたら楽に腕を振れるようになった」

 考え方を変えたことが、スピード習得につながった。考え方だけでなく、フォークとともに球種が増えたことで、マウンド上ではより楽な気持ちで投げられるに違いない。

 そして今季初登板で初勝利を挙げた黒田を、緒方孝市監督は次のように称えた。

「ひと回りどころか、ふた回り大きくなった姿を見た。野手が(黒田の)あの投げる姿、打席でも何とかしようとスイングする姿、本当にすべて見習ってほしいと思う」

 黒田の勝利で開幕カードの勝ち越しを決め、24年ぶりの優勝に向けて絶好のスターを切った広島。この勢いはまだまだ続きそうだ。

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