栗山監督が語る大谷翔平「アイツは昭和の野球選手」 (6ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 20歳で、そこまでできてしまうのは、なぜだと思われますか?

「それは、できる人は子どもの頃からできちゃってるし、できない人はどれだけ時間をかけてもできないものだから。特に、感じ方というのは、教えてできることじゃないからね」

―― だとすると大谷選手は、監督の手紙についてはどう感じたんでしょうね。

「そこは分かんないな(苦笑)。でも開幕投手って、結果は残るけど、その時に感じたこととか考えたことを言葉にして残すのって難しいんじゃない。だけど、開幕のマウンドに上がる時って、これまでに積み重ねてきたことや自信を必ず持ってるはずなんだよね。それを形にしておくことで、野球人として、いつか役に立てる日が来るんじゃないかなって思ってる。だから手紙を書くんだけどね」

―― こんな質問は監督に失礼かもしれませんけど、もし監督が、以前のような取材者という立場で今の大谷選手にひとつ質問するとしたら、何を訊きますか。

「うーん、そうねぇ(笑)。なんだろうね......でも、今だったら『本当に二刀流は可能だと思ってるのか』って、訊いてみたいね」

―― そこですか(笑)。

「いや、オレは100パーセントできるって思ってるよ。でも、アイツ自身はそこをどのくらい感じてるのか......たとえば、やがてメジャーへ行くとなればピッチャーで行くことになるのか、それとも二刀流で行こうと思うのか。そこ、興味あるでしょ。オレは、メジャーにも大谷翔平を二刀流で評価してくれるチームがあると信じてるし、翔平にもそう思ってやってほしい。二刀流をアメリカへ持っていくんだという......それこそ、アメリカ野球をやっつけに行って欲しいんだよ。アメリカで野球をやるんじゃなくて、翔平にはアメリカの野球をぶっ壊しに行って欲しいんだよ。アイツなら、平気な顔してそれくらいのこと、やっちゃいそうな感じするもんね(笑)」

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