栗山監督が語る大谷翔平「アイツは昭和の野球選手」 (3ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― さきほど今年の大谷選手について、「もちろん結果も必要だ」とおっしゃいましたが、具体的にはどんな数字をイメージしているんですか。

「この前、たまたまダルビッシュ(有)投手のインタビューを見ていたら、『プロ3年目が一番いいフォームだった』と話していた。ああ、やっぱり今なんだと思ったよ。翔平も高校を出て3年目でしょ。ピッチャーはプロ3、4年目あたりが、肉体的には一番いい状態なんだ。ダルがプロ3年目で初めての開幕投手を務めて、15勝して、防御率も1点台。最多奪三振のタイトルを獲って、沢村賞に選ばれて、チームはリーグ優勝、そしてMVP......そう考えれば、今年の翔平にそこまで期待しても、ちっとも早くない。しかもこっちは、彼にそれだけの場所を与えている。他のピッチャーはその年齢でそういう場を与えられないからその域に上り詰めるのは難しいんだけど、翔平にはその場がある。だったら今年を『見逃したらやばい』とファンの人が思うような年にしなきゃいけない」

―― ものすごく高いハードルですね。

「生物学的な年齢と野球選手としての年齢があるとすると、生物学的には先発ピッチャーのピークは早く来てしまう。20歳、21歳 で肉体的なピークが来て、そこからは野球年齢を重ねてピッチャーとして成熟していくだけなので、肉体的には今年、来年あたり、翔平はピークに差し掛かっている。そう考えると、今、覚えなきゃいけないことがたくさんあって、その分、オレが焦っているというのはあるかもしれないね。周りのみんなはまだ早いって言うけど、オレは早いなんてちっとも思ってないからね」

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