躍動するベテラン、伸び悩む若手。「新成」巨人の誤算

  • 高松正人●文 text by Takamatsu Masato
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 高橋や井端は、相手投手や打席によってアプローチ方法を変え、時には体の使い方を変えてバッティングすることもある。3月9日のソフトバンク戦のあと、この試合で4番に入った大田に原監督は「どのカウントでも同じようなスイングに見えてしまう」と苦言を呈した。いわば、高橋や井端をもっと見習えという、指揮官からのメッセージでもあった。

 また、注目されていた相川亮二と小林誠司の正捕手争いも、今年39歳を迎える相川が一歩リード。高橋由、井端、相川といったベテランが若手と横一線のスタートから、開幕スタメンを勝ち取ろうとしている。強いチームを作るためには何が必要か。ベテランたちはそれを示したのだ。そこまでの過程を若手たちがどのように見て、自分との違いを感じているか。それだけでも、十分な効果はあったと原監督は信じている。

 内海哲也のケガや村田修一の不振など、誤算が続いた巨人だが、ベテラン勢の活躍は原監督にとっては「嬉しい誤算」であったに違いない。

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