「門田理論を証明したい」。DeNAルーキー倉本寿彦の野望 (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 門田の現役時代の打撃フォームの動画を何度も繰り返し見て研究した。結果、足を大きく上げながらボールを呼び込む一瞬の姿に、門田のシルエットが重なるようになってきた。はたして、倉本の打撃はプロの世界で通用するのか。門田はこうエールを送る。

「清い水が流れる世界から、足の引っ張り合いもあるドロドロの世界へ入ったわけや。その中でひたすら練習して、満足することなくやり続けられるか。結果が出ても出なくても、ひたすらバットを振って、いつも「なぜ」と思えるか。どうしたらもっと強いスイングができるのか、どうしたらもっとボールを飛ばせるのか、あと半インチバットを長くしたらどうなるのか……。この気持ちを持ち続けることができれば面白くなるんやけどな」

 変化球全盛時代の今、門田理論に「?」を投げかける者もいる。しかし倉本は、「打てるショートになることが目標。それに門田さんの理論を証明したい気持ちもあります」ときっぱり。開幕スタメンも現実味を帯びてきた今、いまだ無限の可能性を秘める24歳から目が離せない。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る