伝統の背番号8を継いだ日本ハム西川遥輝が目指す最強の1番 (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 さらに言えば、ライトのポジションを岡大海や谷口雄也がつかみ取れなければ、西川が収まることもあり得る。幸か不幸か、器用さが故にどこのポジションでもそれなりにこなしてしまう西川は、今のファイターズにとっては"都合のいい男"だ。昨秋、栗山英樹監督は「(西川)遥輝がサードをやりたいと言ってきた、その気持ちが嬉しい」と話していたが、西川によれば、それは話が違うらしい。

「あれっ、僕から? えっと、僕は何も言ってないんですけど(苦笑)、そういうことにしておきましょうか(笑)。でも去年の秋から、サードをやれば他のポジションをやった時に生きることもあると思って、言われたところをやろうと腹をくくってやってきました。

 最初は本当にサードをやるのかなと思っていましたけど、今年はもう、自分はサードだと思ってやっています。外野は遠いんで観客みたいな気持ちで見ちゃって、試合に入りにくいんですよ。だから、とにかく内野をやりたいと思っています」

 昨シーズンの間、「この程度で満足してもらったら困る」と西川に対して終始、辛口だった栗山監督は、秋になってから、「だってこのままじゃ、遥輝は守るとこないもんね」と笑い飛ばしていた。

 しかしこのキャンプからオープン戦にかけてのバッティングを見れば、西川を外すことは考えられない。去年の終盤、小さく、コンパクトに構えて窮屈そうに打っていたバッティングがウソのように、今年は大きく、悠然とした構えから鋭い打球を飛ばしている。

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