オリックス・駿太が本物の「イチロー二世」になるとき (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 しかし、オリックスはオフに大補強を敢行。中島裕之、小谷野栄一、トニー・ブランコといった強打者を獲得。彼らはすべて内野手だが、場合によっては、昨年、一塁手でゴールデングラブ賞を獲得したT-岡田が外野に入る可能性もある。さらに、坂口智隆、川端崇義、鉄平らの実力派も虎視眈々とレギュラー獲りに燃えている。現在、オリックスの外野手でポジションが決まっているは、昨年のパ・リーグの首位打者・糸井嘉男だけ。残り2枠をめぐって、激しいバトルが繰り広げられている。

「とにかく必死です。今は打率とか考えられないんです」

 そう語る駿太は、今シーズンに向けてふたつの目標を掲げた。

 ひとつは、「先発として100試合以上に出場すること」だ。昨年127試合に出場したとはいえ、先発出場は58試合。ほんどが守備固めか代走での出場だった。

 そしてもうひとつの目標が"定位置"獲りだ。駿太が言う"定位置"とは「1番・センター」のことだ。

「やっぱり、1番・センターで出たいですね。1番・センターで試合に出るには、安定した成績を残さないといけない。まずは、そこを目標にしたいですね」

 昨シーズン、58試合に先発出場した駿太は、1番、2番、7番、8番、9番と5つの打順を経験した。最多は「8番・センター」の27試合で、「1番・センター」は5試合だった。

「いろんなチームを見て感じたことは、1番にはいいバッターが入っているということです。それに、1番が固定されているチームはいい結果を残している」

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