巨人・菅野智之がキャンプ初日のブルペンに入らなかった理由 (2ページ目)

  • 高松正人●文 text by Takamatsu Masato
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 昨シーズン、菅野はシーズン中に右ひじを痛め、阪神とのクライマックス・シリーズに登板することができなかった。1年間フルに戦えなかった悔しさが残っている。1年を通して戦い、結果を出すのが真のエース。まだ自分自身をエースだとは思っていない。菅野は今シーズンを真のエースになるための1年と位置づけているのだ。

 そうした意識はグラウンド外でも表れていた。特に、初めての一軍キャンプを送っているルーキーの戸根千明(ドラフト2位/投手)や高木勇人(ドラフト3位/投手)には積極的に声を掛けている。

「少しずつではありますが、若い選手を食事に誘ったり、細かいところを見ていくことができればいいなと思います」

 キャンプ2日目。菅野は満を持してブルペンに入った。オフにアリゾナやハワイで行なった体幹強化のトレーニングの成果か。昨年苦しんだ右ひじの不安を一掃するような伸びのあるストレートを投げ込んだ。

「ケガの不安もありましたが、ここまでは順調に来られたと思います。これからも目標を設定して、調整していきたいですね。開幕投手? そのつもりでやっています」

 真のエースへ、菅野智之の3年目が始まった。

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