恩師が語る。藤浪晋太郎が「勝てる投手」に生まれ変わった日 (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 思えば、「藤浪はあの試合で精神的に自信を持てた」と西谷が挙げた“あの試合”が、3年春のセンバツ大会初戦の花巻東戦だ。大谷との対決で大きな注目を集めた一戦で、藤浪は打者・大谷に一発を浴びたが、試合は9-2で快勝。“勝てる投手”であることをこの一戦で証明し、以降、負けないエースへと成長していった。

「高校2年までの『勝ち運がない』と言われていた時代を思うと不思議な感じがしますけど、これからはより勝ちへのこだわりが強くなっていくはず。もちろん毎年が勝負ですが、今年は藤浪にとって本当に大事な1年になると思いますね。厳しいシーズンの中でどれだけの結果を残すのか。心配ではありますが、藤浪なら……という思いもあります。『次のオフにいい報告ができるように頑張ります』と言っていましたが、ホント、頑張ってほしいですね」

 プロ1年目が10勝、2年目も11勝を挙げ、阪神では江夏豊以来46年ぶりとなる高卒での2年連続2ケタ勝利を挙げた藤浪。そして迎える3年目のシーズン。「勝てる投手」としての輝きを増していけば、“真のエース”へまた一歩近づくこととなる。

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