選手会長・松田宣浩「あの時、ホークスは生まれ変わった」 (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by sportiva

「バットに引っ掛かってくれた感触があったので、決まったなと思いました。嬉しさよりも、『やっと終わったんだ』とホッとした気持ちでいっぱいでしたね。シーズン前から優勝候補と言われて、実際、優勝に向けて順調に来ていたのに、9月に失速して......。球場に来るのが怖いと言っていた選手もいましたし、負けを覚悟したこともありました。それでも最後に勝って、優勝できた。勝つことの大変さも味わったけど、『オレたちは強いんだ』と再認識できました。もし、あの試合で負けていたらCSで敗れていたかもしれないし、少なくとも日本一はなかった。それだけは断言できます。だからシーズン最終戦ですが、あの試合がホークスにとってのターニングポイントだったんです」

 呪縛から解き放たれ、ホークスナインは変わった。なかでも、この試合を境に若手選手たちは積極的に発言するようになったと松田は言う。その後CSファイナルで日本ハムを破り、冒頭でも触れたが日本シリーズでは阪神相手に圧勝。今季限りで退任を決めていた秋山幸二監督の有終の美を飾った。

 そして来季は工藤公康新監督のもと、連覇に向けた戦いが始まる。オフにはメジャー帰りの松坂大輔を獲得するなど、戦力補強に余念がない。

「素晴らしい補強をしてくれましたし、来年は今年以上に強いホークスを見せたいですね。あの試合で勝ったことを自信にして、来季こそぶっちぎりで優勝したいですね」

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