ヤクルトに山田哲人という真のリーダーが誕生した瞬間 (3ページ目)

  • 吉村大祐(サンケイスポーツ)●text by Yoshimura Daisuke
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 かつて内川聖一(ソフトバンク)や青木宣親(ロイヤルズ)を育てた杉村コーチは、彼らと山田には4つの共通点があると話す。

「よく練習する。野球の頭がいい。負けず嫌い。気持ちの切り替えが早い」

 来季は真中満新監督のもと、シーズンを迎える。真中監督は「数字的にはクリーンアップを打てますけど、山田は1番。バレンティンの復帰が遅れたとしても、3番や4番にしていろいろ考えさせるのはよくない。それに、彼はまだ22歳だけど、チームを引っ張ってほしい。年齢は関係ないです」と期待を寄せる。

 今季、山田が放った光は、最下位であることを忘れさせるぐらい強烈なものだった。来季の抱負を聞かれた真中監督が「最下位脱出はできると思いますよ。やるべきことをやればね」と語ったように、間違いなく手応えを感じている。成瀬善久や大引啓次といった新戦力を獲得したこともあるが、なにより山田哲人というチームの柱ができたことが指揮官を強気にさせたのだろう。山田が交流戦で獲得したタイトルの重みは、我々の想像を超えて大きなものとなりそうだ。

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