谷繁元信「監督室にいる時がいちばん孤独なんです」 (2ページ目)

  • キビタキビオ●構成 text by Kibita Kibio
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

野村 選手と監督、気持ちの切り替えはうまくできましたか?

谷繁 言葉で説明するのは難しいんですけど、スイッチが切り替わるんですよ。「ここは監督」「ここは選手」という感じで。試合に出ている最中にスイッチが入れ替わることもありました。

野村 スタメンを決めるタイミングというのは?

谷繁 他の監督はどうしているのかわかりませんが、僕はコーチと相談して練習前には決めていました。試合に出るのか出ないのかわかったほうが選手も調整しやすいでしょうし、練習に対するモチベーションも違ってくると思います。

野村 ちなみに、選手としてロッカーに行くことは?

谷繁 ないです。ずっと監督室にいます。これがねぇ、結構、孤独なんです(笑)。

―― 今シーズンは選手として91試合に出場し、打率.195、1本塁打、23打点という成績でした。

谷繁 全然ダメですね。

野村 それは監督業の影響があったから?

谷繁 どうですかね。すべてではないですが、ところどころであったかもしれません。ただ、自分のリズムが出てきた時に太ももを痛めてしまったり、オールスター前に軽いぎっくり腰になったり......イメージとして100試合から110試合出るつもりが、結果的に91試合になってしまった。それではダメですよね。

野村 監督をやっているという影響は少なからずあったでしょう。今年1月に会った時に「100~110試合出場したいのなら、140試合出るつもりでやらないといけない」という話をしたと思うのですが、監督をやっているとどうしても負担は増えると思うんです。

谷繁 正直、もっと出来たという気持ちはありました。ただ、そこまでの成績しか出せなかったというのは、単純に自分の力がなかったということです。

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