下剋上に自信。日本ハムが描く「金子攻略」のシナリオ (3ページ目)
しかも、金子が登板した今シーズンのファイターズとの3試合は、いずれも1、2番は西川、中島ではなかった。つまり金子にとって、西川、中島の1、2番コンビと対戦するのはこのクライマックス・シリーズが初めてだということになる。
3番に入る陽岱鋼は、金子に対して10打数ノーヒットとまったく打てていないが、4番、中田翔は11打数4安打、ホームラン1本と、金子をあまり苦にしていない。ちなみに陽岱鋼はバファローズが誇るブルペンの3人、平野、佐藤、比嘉からは15打数8安打、ホームラン1本と、すさまじい結果を残している。
西川、中島が1、2番に定着したことで、下剋上を目指すファイターズの“戦う形”ができたのだ。栗山監督は以前、こんな話をしていた。
「選手が育つことを期待しながら戦っていくチームというのは、想定しなかったメンバーがどれだけプラスアルファをもたらしてくれるかが大事になってきます。単なる足し算ではなく、掛け算となってチームに進む力を与えてくれた方が、日本一には近づく。そういう考え方からすれば、僕が最初に想定したイメージとは違う形で勝っていく方が強いチームになっている可能性があります。チームというのは生き物ですから、日々、変わっていく。成長という名のプラスアルファこそ、ファイターズが日本一になるための条件だと思っています」
今年、右肩上がりの成長曲線を描いた若い力――西川、中島の1、2番コンビで金子を攻略し、大谷が力でバファローズ打線をねじ伏せて、ファースト・ステージの初戦を取る。それが3位からの下剋上を果たすための、ファイターズの唯一無二の条件ではないだろうか。
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