セ・リーグに大問題。MVPの該当者なし!? (2ページ目)

  • 阿部珠樹●文 text by Abe Tamaki
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ここで、今季これまで(9月17日現在)の巨人主力選手の成績を見てみたい。

(野手)
長野久義/打率.297、本塁打13、打点60
坂本勇人/打率.278、本塁打14、打点54
村田修一/打率.254、本塁打18、打点62
阿部慎之助/打率.246、本塁打17、打点52
片岡治大/打率.245、本塁打6、打点28
ロペス/打率.235、本塁打21、打点52

(投手)
菅野智之/21試合、11勝5敗、防御率2.45、奪三振117
杉内俊哉/25試合、9勝6敗、防御率3.23、奪三振140
大竹寛/22試合、9勝6敗、防御率3.98、奪三振79
内海哲也/19試合、5勝8敗、防御率3.06、奪三振86
山口鉄也/56試合、4勝3敗33ホールド、防御率2.85、奪三振41
マシソン/59試合、6勝6敗27セーブ、防御率3.50、奪三振71

 野手でもっとも打率が高いのは長野だが、それでも3割には届いておらず、セ・リーグ12位に過ぎない。ホームランに関しても30本以上の選手はおらず、ロペスの21本が最高だ。もし仮に長野が3割をマークしたとしても、優勝に大きく貢献したかとなると疑問符がつく。ある意味、「貢献度」でいえば "足のスペシャリスト"鈴木尚広の方がインパクトはあった。解説者の与田剛氏は言う。

「今年の巨人に関していえば、鈴木尚広で勝利した試合が何試合もありました。特に、終盤の1点を争う試合での鈴木の足というのは、相手にどれだけプレッシャーを与えたことか。彼がいなかったら、今の順位を守れていたかわかりません。貢献度という意味では、野手では鈴木がナンバーワンだと思います」

 その鈴木にしても、印象度は抜群だが数字的な後押しが足りないのが現状だ。

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