中村剛也、2年ぶりの本塁打王奪還のカギは?

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

 そして、誰が本塁打王を獲るのかという興味は、選手たちの間でも話題になっているという。前出のロッテ・益田はこんな話をしてくれた。

「他の選手たちと『誰が本塁打王を獲るか?』という話をよくするんです。それで、僕は中村さんが獲ると言いました。最近のバッティングを見ていると、かなり調子がいいように思います。対戦していてオーラというか、いい雰囲気がある。いいコースに投げてもファウルにしたり、少しでも甘くなるとホームランにしてしまいますから」

 益田のチームメイトである藤岡貴裕も中村のバッティングについて次のように語った。

「中村さんはバッティングが柔らかく、メヒアよりもいろんなことに対応できるイメージがあります。メヒアはツボに来れば確実にとらえてくるけど、そこ以外は脆い部分があると感じています」

 中村、メヒア、ペーニャの3人に計19本のホームランを許している日本ハム。その投手陣を指導する黒木知宏コーチに今後の行方を占ってもらった。

「メヒアとペーニャに関しては、手の届くところであれば少々のボール球でもホームランにするパワーを備えています。中村の場合はコースや球種に関係なく、自分のスイングさえできればホームランになる。普通、なかなか自分のスイングをさせてもらえないものだが、中村はタイミングの取り方が抜群にうまい。その技術に関しては、球界ナンバーワンだと思う。技術力の差で中村が有利だと思うのですが……」

 中村は言う。

「まったく意識していないというとウソになりますが、とにかく自分のバッティングをすることを心掛けたい。そうすれば結果はついてくると思います」

 はたして、中村は2年ぶりにホームランキングの称号を手にすることができるのか。三つ巴の戦いから目が離せない。

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