中村剛也、2年ぶりの本塁打王奪還のカギは?

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

 パ・リーグの本塁打王争いが熾烈を極めている。9月15日現在、中村剛也、エルネスト・メヒア(ともに西武)が31本、ウィリー・モー・ペーニャ(オリックス)が30本でふたりを追っている。はたして、ホームランキングの称号を手にするのは誰なのか?

通算5度目の本塁打王に意欲を燃やす西武・中村剛也通算5度目の本塁打王に意欲を燃やす西武・中村剛也

 そんな中、2年ぶりのホームランキングに並々ならぬ思いを募らせているのが中村だ。中村は2008年から2012年までの5シーズンで4度のホームラン王を獲得したが、昨年は左ひざの手術でわずか4本塁打に終わった。今シーズン前、中村はこう語っていた。

「昨年はほとんど野球をやっていないので、すごく野球をやりたい気持ちになっているんです。実は、野球は失敗が多いスポーツなのであまり好きじゃなかったんです。でも、ケガをして試合に出られないことで、自分は野球が好きだということを実感できました。今年は心機一転、たくさん打ちたいですし、ホント、毎日打ちたいくらいです。もちろん、ファンの方からはホームランを期待されていると思いますし、それに応えられるように頑張りたいです」

 しかし今シーズン、開幕からホームランレースを引っ張ったのはペーニャだった。5月を終えた時点で15本。一方の中村は左わき腹痛での欠場が響き、わずか5本。6月には7本を放ち復調の兆しを見せるが、そこに突如ライバルとして現れたのが、4月末に途中入団したチームメイトのメヒアだった。

 メヒアは初出場となった5月15日の日本ハム戦で初打席初本塁打を記録。5月は3本に終わるも、6月は5本、7月は8本、8月には11本と対応力の高さを見せつけ、本塁打を量産していった。途中入団のメヒアがタイトルを獲れば、日本プロ野球史上初の快挙ということになる。

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