最年長登板記録へ。
元同僚・山﨑武司から山本昌へのエール

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 中日の山本昌が、今日行なわれる阪神戦(ナゴヤドーム)で今季初登板する。山本昌は8月11日に49歳になった。これまでのプロ野球最年長出場記録は、1950年に阪急(現・オリックス)の浜崎真二が記録した48歳10カ月で、山本昌が無事に先発を果たせば、64年ぶりの記録更新となる。さらに勝利投手となった場合、これも浜崎が持つ48歳4カ月の記録を塗り替えることとなる。そんな球界の生きる伝説・山本昌の凄さを、かつての同僚・山﨑武司が語った。

今年でプロ31年目を迎えた山本昌今年でプロ31年目を迎えた山本昌

 最近の昌さんを見て思うことは、野球に対してすごく繊細になってきたということです。今、昌さんの頭の中はすべて野球なんじゃないかな。以前、昌さんに「もう毎日練習なんてしなくていいでしょ」って言うと、「1日でも体を動かすのをやめると、もう動けなくなるんじゃないかと思って怖いんだよ」という答えが返ってきました。45歳を超えてからストイックになったというか、すべてを野球に捧げるようになりましたね。

 普通、ベテランになればなるほど、昔のように練習ができなくなるものだし、気持ちの部分で「もういいかな」と思ってしまうものなんです。でも、昌さんはその逆で、いまの方が追い込んで練習しているし、真正面から野球と向き合っていますよね。

 昔は、ラジコンが仕事で、野球は趣味なんて言われた時期もありましたが、もう4~5年ぐらいラジコンは封印しているはずです。それぐらい今は野球が楽しくて仕方ないんだと思います。

 昌さんとは長い付き合いだけど、あの人ほど自分勝手な人はいないと思う(笑)。とにかく自分のことをやればいいんだ、という考え方の人ですから。だけど31年間、自分をしっかり見つめて、弱い部分を鍛えたり、新たなことに取り組んでみたり、これと決めたことがあれば、最後までやり尽くす。中途半端なことは一切しません。常に、新しい自分でいようとします。そうしたことをコツコツと積み重ね"球界の宝"となったわけですから、それは凄いことだと思います。

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