ソフトバンク・五十嵐亮太、絶好調の陰に「熟練の技」 (3ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

 もともとクイック気味で投げていたが、さらに速く投げた。球速は148キロのストレート。しかし、ボウカーは完全に振り遅れ、空振り三振で1アウト。続く岡島豪郎には初球から速いクイックで勝負。149キロのストレートを続けて、2球で追い込んだ。そして3球目は、逆に足を大きく上げてナックルカーブ。岡島はまったく反応できず見逃し三振。そして最後は小関翔太をストレートでセンターフライに打ち取った。無死満塁から見事な3人斬りだった。

「投球ごとにフォームを変える投げ方はアメリカでもやっていました。だから、あの状況で頭に浮かんだのかもしれません」

 しかし、リスクもある。投球フォームを変えることで、バランスを崩す可能性があるのだ。「それでも……」と五十嵐は言う。

「もちろん失敗しないに越したことはありません。だけど、ある程度のリスクがあったとしても、リターンできるチャンスがあるのならトライすべきだと、僕は思っています。失敗したとしても、次に取り返せばいいんです」

 実力や実績にあぐらをかくことなく、自分磨きを怠らずやってきた。“本家”キムタク同様、ルックスも、プレイも若々しい秘訣はここにある。

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