田口壮氏「恋愛一切なし。『キャプテン』こそ、野球漫画だ」 (3ページ目)

  • スポルティーバ●取材・文 text by Sportiva
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

 最近、テレビ出演のために、この2作、全巻読み返したという田口氏の話は止まらない。最後にスポーツ漫画の魅力について訊ねた。

「まず、漫画は読書嫌いの人にいいですよ。いろいろなこと、雑学を学べます。うちの子どもはアメリカで生まれ、今はインターナショナルスク-ルに行っているので、英語が勝つのですが、漫画が好きで、それで日本語を学びましたね。逆に僕はアメリカで、漫画で英語を学びました。向こうにも英訳された漫画がたくさんあるんですよ。野球漫画がなかったので『めぞん一刻』で(笑)。漫画はいまや文化交流のツールだと実感しました。

 スポーツ漫画で言えば、小さい時はいいサンプル、バイブルですよね。谷口はこうやってた。イガラシああやってた。もちろんできないこともいっぱいあるんですが、実際に試して検証していくというのは、うまくなっていく1つのプロセスかな、と。
 
 次に成長して行くと、いいモチベーションになる『甲子園へ行きたい』『もっと真面目に練習せにゃ、あかんな』と。そして、大人になったら泣ける。感動する。ホント、どの世代でもスポーツ漫画は楽しめますよ」


(※1)『キャプテン』(集英社)『月刊少年ジャンプ』にて1972年から1979年まで連載。作者:ちばあきお)
(※2)『ドカベン』(秋田書店)『週刊少年チャンピオン』にて1971年から1981年まで連載。作者:水島新司)
(※3)『巨人の星』(講談社)『週刊少年マガジン』にて1966年から1971年まで連載。原作:梶原一騎、作画:川崎のぼる
(※4)『MAJOR』(小学館)『週刊少年サンデー』にて1994年から2010年まで連載。作者:満田拓也
(※5)『ダイヤのA』(講談社)『週刊少年マガジン』にて2006年から連載開始、現
(※6)『SLAM DUNK』(集英社)『週刊少年ジャンプ』にて1990年から1996年まで連載。作者:井上雄彦
(※7)現在は集英社から、文庫版全15巻が発売中
(※8)『侍ジャイアンツ』(集英社)『週刊少年ジャンプ』にて1971年から1974年まで連載。原作:梶原一騎、作画:井上コオ
(※9)秘打・G線上のアリア 『ドカベン』明訓高校・殿馬一人が持つ“秘打”の1つ。ファウルライン上にボールを停止させる、絶妙なセーフティバント

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