ローテ入りへ、斎藤佑樹が身につけたい「山本昌の技術」

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • 益田佑一●写真 photo by Masuda Yuichi

 7月以降、6度の先発機会を与えられた。

 2軍、1軍、2軍、1軍、2軍、1軍。

 それぞれ、昼の遠軽、夜の札幌、昼の鎌ヶ谷、夜の千葉、昼の鎌ヶ谷、夜の札幌だ。

現在、2軍で調整中の斎藤佑樹現在、2軍で調整中の斎藤佑樹

 内容は、5回無失点、5回1失点、5回途中8失点、6回1失点、4回3失点、3回途中5失点。彼の場合、2軍での結果まで詳しく報じられるため、抑えたり、打たれたりという印象が残る。しかし1軍の登板に限れば、5回1失点の後、中18日で6回1失点、中13日で3回途中5失点と、3度のうち2度は文句のつけようがないピッチングを披露している。

 にもかかわらず、なぜ斎藤佑樹は1軍でローテーションに定着できなかったのか。

 それは斎藤が、それだけの安心感を首脳陣に与えられなかったからだ。

 しかも現状、ファイターズの投手陣の顔ぶれを考えれば、やむを得ない面もあったと思う。ルイス・メンドーサ、大谷翔平、上沢直之に、中村勝や浦野博司も結果を残してきた中、武田勝、木佐貫洋、吉川光夫らも先発のチャンスをうかがっていた。7月の斎藤が二度続けて1軍の先発機会を与えられなかったことは、他との兼ね合いを考えれば無理もなかった。しかし、昼と夜、1軍と2軍が交互に続く登板となれば、ピッチャーとしては、どうしてもピッチングを難しくしてしまう。

 1軍初登板の時は、できることをするしかないと開き直った。

 2度目のマウンドでは、中18日もの間隔が、ストレートの精度を狂わせてしまった。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る